顎のたるみは顔全体がぼんやりとして見える原因になるほか、老けて見えたり、また大きく見えてしまったりと、見た目に悪い印象を与えてしまいます。顎のたるみの原因には、老化や筋肉量の減少、脂肪の減少や増加、皮膚の緊張の低下などがあると考えられています。[注1]
それでは、顎のたるみの原因と、たるみを加速させる日常生活の要因を、詳しく見ていきましょう。
口回りなどの筋肉量の減少が、顎のたるみに大きく影響を与えています。口輪筋や口角下制筋などの口回りの筋肉や、口を下方向へ開く役割の広頚筋は、顔の運動不足や老化などで衰えてしまうのです。そうなると口回りなどの筋肉・脂肪・皮膚が重力で下に引っ張られ、顎のたるみの原因になると考えられています。
無表情の時間が長い人や笑う回数の少ない人は、口回りの筋肉を使う時間が少なくなり、筋肉が衰えて下に垂れてしまう原因になります。
皮膚は外側から順に、表皮、真皮、皮下組織の3層があります。真皮は主に細い線状のコラーゲンで構成されていて、このコラーゲンが保湿の役割を担っているのです。しかし真皮の細胞内の水分が減少すると、皮膚の弾力性が失われてしまいます。
また、皮下組織には皮下脂肪や筋肉があり、外部の衝撃から体を守る役割をしています。口回りの皮下脂肪が減少することで、顎回りの肌の弾力性が失われ、その結果、皮膚にたるみが生じるのです。[注3]
老化は、顎のたるみの主な原因であるといわれています。老化が進むと体の代謝が悪くなり、肌細胞などの成分を体内で作り出す力が低下します。このことで皮膚の水分を保持し、潤いのある肌にする役割のコラーゲンや、エラスチン、ヒアルロン酸が減少。[注2]
その結果、肌の張りの弾力性が失われます。また、老化は筋力の衰えの原因にもなります。
顎下に脂肪が付きすぎたり、水分が多くなりすぎたりすると、もう一つの顎のたるみである2重顎の原因に。首から顎回りには、顎下リンパ節や前顎リンパ節などのリンパ節や、リンパ管がたくさんあります。リンパ管は皮膚の皮下組織に複雑に分布していて、リンパ液の流れが悪くなると、これらの管や節に余分な水分がたまります。これらもたるみの原因になると考えられているのです。
そして、紫外線も皮膚の老化を引き起こす原因になるといわれており、皮膚の水分量を低下させるといわれています。日差しの強い場所では顎にも紫外線はあたるので、注意しましょう。
[注1]日本化粧品技術者会:顔面たるみの二次元簡易的測定法の開発[pdf]